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エッセー/アフリカ
アフリカ旅だより(2)
ファンキーロード編
寺田恭子(GEO Global オーガナイザー

 出張中は車に乗っていることばかりで、約2ヶ月の旅程中にすっかり脚の筋肉がおちてしまいました。運動不足を痛感しつつ、その車窓から見かけた街の様子をちょっとご報告いたします。渋滞は観察のいい機会。車の中も観察されているのでしょうが。TVなどで時々見かける映像を思い起こしながらお読みください。

▼道路事情:南ア

 政治の中心であるプレトリア、経済の中心ヨハネスブルグ(英語だと略してJo'burgジョーバーグにもなるらしい)に参りましたが、ご承知のとおり大都会です。街がきゅっとまとまっている様子をベルギーと表現した方もいましたし、車専用道路がどーんと通って、散在する企業の建物や住宅街、ショッピングモール等をつなぐあたりをアメリカの郊外に例える方もいました。治安はどちらもよくないということで、出張旅行者として道路を歩くことはほとんどなかったのですが、車の中から、ペットボトル等を投げ捨てている様子を見てしまいます。ちゃんとゴミ箱も街角にあるのに、何で投げ捨てるの!?路面清掃の人もよく見かけるのですが、ゴミが道端に散らかっているとすさんだ雰囲気も倍増します。いろいろな途上国で「かつての包装はバナナの皮(例)だったから投げ捨てても土にかえっていたからね」と言われますが、安価なプラスチック/ビニールの袋やペットボトルが普及するスピードが人々の行動パターンの変化よりはるかに速いため、風化しないプラスチック類の投棄が環境保護と廃棄物処理の大きな問題になっています。欧米的な街の様相と投げ捨て行動、そのギャップを大きく感じました。タバコのフィルムやガムの包みをさりげなく道端に落としている人々、東京でも結構見かけますけれどね。

▼道路事情:西アフリカの物売り

 ラゴスは確かに大都市です。アクラがこじんまりとして低い建物が多く、道がわりときれいなのに対して、ラゴスはどーんとしてます。老朽化して方っておかれてるような建物も結構あるし、すさんだ感じのエリアもあるようだし、道路の状態は悪いし、渋滞もアクラよりかなり激しいです。どちらの街でも、渋滞の間に買い物を楽しめ?ます。車の間を縫って、物売りが次から次へと歩いてきて、新聞・たばこ・お菓子はもちろん、地図、内閣組織の写真、卵、野菜、果物などは当然、Tシャツから、どうでもいいような大工用具や延長コード、おもちゃ、カメラ、木彫りのクラフトといろんなものを売っています。CD売りの後にCDラック売りが歩いてたりして笑えます。物乞いも頻繁に窓を叩きに来るので、目を合わせないようにするのがつらいです。

▼道路事情:交通マナー

 アクラもラゴスも、路線変更などは自由気ままにすいっと済まされます。アクラでは、「ここはFreedomの街だから」と言い、ラゴスでは「ルールはあって無いようなものだから」と言います。どちらも渋滞についてはみんながこぼしています。ワンボックス型のミニバスが乗合タクシー/バスとなっていて、ぎゅうぎゅうに人が乗って、スライドドアはたいてい開いていて、車掌のお兄ちゃんがお札を手に乗り出しています。アクラの乗合バス=TroTroは、みんな勝手に自家用車を使ってるという感じで色もデザインもまちまちでしたが、ラゴスでは一応財務省に届けるそうで、ほんとのバスも、乗合バス=DaraDaraもタクシーも、アメリカのスクールバス色で横に緑線が2本入っているのでわかりやすいです。それにしてもミニバスの呼び名、日本人の語感にも訴えるものがありませんか?

 またラゴスでは、平日だと結構頻繁に、警察の車が2台くらい連なってサイレンを鳴らしながら車の間を走っていきまして、それが小渋滞もひきおこすのですが、その後ろにはたいてい数台の車がちゃーっとくっついて、楽して先に進んで行きます。一方通行路を逆走してくるポリス車の後ろにも、さらにそういうおまけの便乗車がいたりして、それでもポリスは注意するわけでもないあたりが、さらに笑えます。ちなみにその連なったポリスカーは銀行のお金を運んでいるのだそうで、治安が良くなったら、そして民間企業への信頼が成立すれば、警備会社ができるのでしょうね。

【筆者プロフィール】
GEO Globalオーガナイザー紹介のウェブページをご参照ください。

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