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エッセー/アジア
連載 バンコク万国便り 第1回
「アジア的なるもの、バンコク的なるもの」
小池 利幸(通信系ベンチャー セールスマネージャー・在バンコク)

 長かった雨期もようやく明けたようだ。毎日、気持ちよく空が晴れ渡っている。 自分のこれまでの専門地域とは全く異なるバンコクに居を移してから、早や三ヶ月。だいぶんアジア大陸的な時間の観念や、物事のとらえかたにも慣れてきた。タイ語もある程度理解できるようにもなった。洪水でも慌てなくなった。待つということを知った。

 そして、このアジア大陸的なもののみならず、私は今、バンコク的なるものの魅力にとりつかれている。それは、言い換えれば万国的なるものといえるであろう。 アラブ人街、インド人街、日本人街、中国人街、韓国人街、欧米人街。多種多様な民族、人種がそれぞれの領域の中で生活している。一般的に(特に日本人は)、彼らはみな他の領域には踏み込もうとしない。問題を起こさない為の、暗黙の了解なのであろう。
 しかし、私は敢えてその取り決めを無視し、個人的な世界、ビジネス的な世界問わず、全領域に踏み込んでいく。あるときはビジネスの場で、狡猾な中国系タイ人と困難な契約の折衝を、またある時は、世界中の紛争地域に物資を送り込んでいるアラブ系武器商人と個人的に交友を持つ(全て事実。)。これほどエキサイティングな毎日をおくることができる街は、そうそうないだろう。

 今後は、GEOのみなさんにも、ぜひこの万国的なるものの、片鱗だけでもお見せしたいと思い、筆をとりました。話の内容は、東南アジアにおけるビジネスの話から、バンコクの非日常的な日常についてまで、分野を問わず、そのときそのときの気分によって変わってくると思います。いつまで続くかわかりませんが、モロッコ便りの時と同様に、よろしくお願いいたします。

 なぜか隣国ラオスの首都、ビエンチャンのメコン川ほとり、屋台で一人ビールを飲みながら。

【筆者プロフィール】
1972年、大分生まれ.東京外国語大学大学院でイスラーム研究を専攻の後、バンコクにて通信系ベンチャー企業設立に参画。現在、かの地ににて、日本とは異なる慣習の中、セールス・マネージャーとして、日々奮闘中。モロッコ・フランスに留学経験あり。使用言語:アラビア語・フランス語・英語・タイ語・スペイン語少々・日本語も少し。

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