■ボリジゲン・セルゲレンさんの発表レジュメ■
1.モンゴル民族から見た南モンゴル
南モンゴルはモンゴル民族居住地域の一部分であり、近代国際政治の変動により南北に分断され、現在の形になった。南モンゴルにモンゴル族の半分に近い380万人が在住し、その他の中国領内にも60万人のモンゴル人がいることが確認されている。近代史において、南モンゴル、内モンゴル、漢南モンゴル等の呼び方があるが、1947年以後、内モンゴル自治区の名称が使われるようになった。
2.モンゴル族の生活習慣と文化
(1)自然観と宗教観
1 天と大地は畏敬の念を持つべき存在
2 仏教とシャーマニズムが共存する信仰の世界
(2)遊牧文化と食生活
3.内モンゴル自治区成立経緯
(1)満州国勢力下の東部モンゴル
1 満州国における東部モンゴル ― 近代社会への移行の試み
2 敗戦後、東部モンゴル人が迫られた選択 ― 内外モンゴル統合の試み
(2)西モンゴル徳王の「蒙彊連合自治政府」
1 日本人への依存と国民党との調和を図った両面性
2 内モンゴル人民共和国臨時政府の成立と滅亡
(3)南モンゴル人知識人と南モンゴルの運命
1 南モンゴル知識人の種類
2 南モンゴル知識人の新たな一面、その未熟性と非民族性(不団結性)
4.内モンゴル自治区と新中国 ― 中国のモンゴル民族問題
(1)新たな民族弁別と命名によっての「中国化、人民化、国民化」
(2)民族政策と民族間の政治的、経済的格差の拡大問題
(3)一律の「民族平等」による辺境地帯の統一性と地域発展格差の矛盾
(4)政府に対するモンゴル人の異議申立てと「民族分離主義」の問題
(5)国際社会環境に左右される国内の民族問題
(6)国内政治政策とモンゴル人問題
5.内モンゴル自治区における開発問題への提言
(1)知られざる南モンゴル ― その自然環境と人々
(2)市場経済下の「周縁」と「辺境」
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