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コンピューターによる文献検索
笹川秀夫さん
 年に1度、請われて上智大学の大学院で講義をしています。「コンピューターによる文献検索」というタイトルで、資料や参考文献を集める際にインターネットがどのくらい利用価値を持つかを大学のコンピューター室を一部屋借りて、実際に自分で検索してみるという授業です。

 毎年少しずつ情報量を増やした結果、お見せしてもいいかなという量になったので、授業で配布したプリントに手を加えて、公開させてもらうことにしました。なお、個人で運営しているサイトなどは、リンクを貼る許可を得る手間が面倒だといった理由で除外してあります。したがって、授業で配布したプリントとは、若干内容が異なることをお断りしておきます。

1. 大学図書館、研究機関
1.1 国内の大学図書館
上智大学図書館OPAC
<http://knowledg.mc1.lib.sophia.ac.jp/opac/index-j.html>
 上智大学での授業なので、まずは当該大学図書館の蔵書検索から。上智に限らず、現在では多くの大学の図書館が、ネット上で蔵書が検索できるようにしています。

上智大学図書館ホーム・ページのリンク集 <http://www.sophia.ac.jp/J/lib.nsf/Content/net_lists>
 大学図書館のリンク集には、たいてい文献検索に有用なサイトへのリンクが貼られているので、試しに覗いてみることをお勧めします。ここでは、上智大学図書館のリンク集を紹介しておきます。

NACSIS Webcat(国立情報学研究所総合目録データベースWWW検索サービス) <http://webcat.nii.ac.jp/>
 国立情報学研究所(NII)という機関が運営するデータベースで、日本国内の大学図書館の蔵書検索が可能です。探している雑誌や書籍が国内のどこにあるか、また、そもそも日本にあるのかどうかを知ることができます。

 大学図書館以外にも、いくつかの研究機関に付属する図書館の蔵書もヒットしますが、国会図書館はヒットしません。また、登録していない大学図書館もあるようですし、特定の時期(たいてい1980年頃)以前に収められた文献はデータベース化されていないという例も多く見られます。したがって、このNACSIS Webcatでヒットしなかったから、日本国内にお目当ての本や雑誌が存在しないと直ちに結論づけるべきではありません。

 さて、自分が所属する大学以外の図書館にお目当ての文献があることが分かった場合、多くの大学図書館は協定を結んでいるため、所属大学の図書館で紹介状を書いてもらい、自分で他大学の図書館に入ることが可能です。また、自分で行けない距離にある場合は、コピーを郵送してもらうことも可能です。

1.2 国内の研究機関
 国内の主要な研究機関のサイトと、それら研究機関に付属する図書館のサイトを以下に列挙します。実際に赴く前に蔵書検索を済ませておいた方が時間の節約になりますし、利用の条件などをあらかじめ知っておくことも必要です。

国立国会図書館 <http://www.ndl.go.jp/>
 Web OPAC <http://webopac2.ndl.go.jp/>

アジア経済研究所 <http://www.ide.go.jp/Japanese/index4.html>
 OPAC <http://opac.ide.go.jp/search/index.html>

国立民族学博物館 <http://www.minpaku.ac.jp/>
 図書検索
<http://mmir.minpaku.ac.jp/cgi-bin/MMIRmainA>

東洋文庫 <http://www.toyo-bunko.or.jp/>

国際交流基金 <http://www.jpf.go.jp/j/>
 同アジアセンター・ライブラリー
<http://www.jpf.go.jp/j/region_j/asia_j/2-06-02right.html>
 ただし、このアジアセンター・ライブラリーの蔵書検索は、ネット上ではできません

日仏会館 <http://www.mfj.gr.jp/> 同図書館 <http://www.mfj.gr.jp/jp/bibl-j.html>
 フランスに関する書籍や雑誌のほか、旧フランス植民地に関する研究所なども収蔵しています。

1.3 海外の大学図書館
 海外の大学図書館では、英文の在学証明書などを持参すれば、入館や文献のコピーが可能な場合があります。ある地域や国について調べている場合、当該地域にある大学の図書館が、関係する文献を数多く収蔵している可能性が高いといえます。実際に赴く前に、ウェッブ・サイトを覗いて、利用の条件や開館時期などを知っておくことは有益でしょう。以下、東南アジア関係の書籍を収める大学図書館のサイトを列挙します。

Thammasat University, Bangkok <http://alpha.tu.ac.th/> 図書館 <http://library.tu.ac.th/>
 1日20バーツ(約60円)払えば、図書館の利用が可能です。在学証明書は不要で、身分証明書としてパスポートを受付で提示すれば中に入れます。ただし、受付ではタイ語しか通じない可能性が高いだろうと思います。

ISEAS(Institute of Southeast Asian Studies), Singapore <http://www.iseas.edu.sg/>
 図書館 <http://www.iseas.edu.sg/library.html> 出版部 <http://202.0.149.29/index.html>

・National University of Singapore
 図書館
<http://www.lib.nus.edu.sg/index.html>

Cornell University <http://www.info.cornell.edu> 図書館 <http://campusgw.library.cornell.edu/>

University of Hawai'i <http://www.hawaii.edu/>
 図書館
<http://www.hawaii.edu/library/> 出版部 <http://www.uhpress.hawaii.edu/>

SOAS (School of Oriental and African Studies), University of London <http://www.soas.ac.uk/>
 図書館 <http://www.soas.ac.uk/>

フランス極東学院Ecole Francaise d'Extreme-Orient <http://www.efeo.fr/accueil.htm>

2. 公文書館
2.1 日本の公文書館
・アジア歴史資料センター <http://www.jacar.go.jp>
 国立公文書館、外務省外交資料館、防衛研究所図書室に収められていたアジア外交史関係の資料(1868年から1945年のもの)を電子化し、ネット上で公開しています。資料そのものがネット上で公開されているのは、世界でも稀なことだといえます。資料閲覧には、上記のサイトから専用のソフトをダウンロードする必要があります。

2.2 海外の公文書館・図書館
Repositories of Primary Sources <http://www.uidaho.edu/special-collections/Other.Repositories.html>
 海外の公文書館・図書館に関するリンク集です。海外(とくにヨーロッパ)の公文書館や図書館は、かなり長い期間の夏期休暇を取りますし、場合によってはストライキに入ったりもします。行ったら閉まっていたでは話にならないので、利用の条件、紹介状の要不要、休暇期間などの情報をあらかじめ入手しておく必要があります。また、公文書館や図書館の場所がガイドブックに載るとは考えにくいので、住所を確認しておくことも必要でしょう。

3. 論文検索
国立情報学研究所(NII) <http://www.nii.ac.jp/index-j.html>
 先にNACSIS Webcatを紹介した国立情報学研究所のサイトには、ほかにも複数のデータベースがあり、日本の研究者でどんな専門の人がいるか、どんな著作があるかなどを調べることができます。有料のデータベースですが、ヒット数や機能に制限を加えた無料の試験利用もあります。

 試験利用の際は、下記の順序で進んで下さい。

 「NACSIS-IR文献/学術情報検索(登録制)」→「個人別従量制」→「SSC未対応」→「Web Front日本語」→使いたいデータベースにチェックを入れる→「選択実行」をクリック→キーワード入力。

・邦文雑誌記事索引CD-ROM
 これはインターネットではなく、ローカルな環境で利用する論文検索のCD-ROMです。1975年以降、日本で出版された学術雑誌の記事が検索できます。国会図書館の新館、日仏会館、東洋文庫などに設置してあります。

4. 書店
4.1 書店・一般
Amazon.com <http://www.amazon.com>
 同日本支店 <http://www.amazon.co.jp>
 同フランス支店 <http://www.amazon.fr>
 ご存知Amazon.comや、その日本支店については、とくに説明の必要はないと思います。フランス支店も開設されたので、フランス語の書籍もインターネットを通じて容易に購入できるようになりました。

Barnes & Noble <http://www.barnesandnoble.com/>
 こちらも大手の書店です。東南アジア関係の英文学術書は、わりと品揃えがいいように思います。

洋書ドットコム <http://www.yousho.com/>
 オン・ライン書店を横断検索し、価格比較することが可能です。一番安い店で買うのがお得なわけですが、クレジット・カードで購入することから、値段だけでなくセキュリティの問題も考慮すると、大手の書店で購入する方が安全だろうと思います。

UMI(University Microfilms International), Ann Arbor, Michigan
 Bell & Howell Information and Learning <http://www.umi.com/>
 アメリカの大学で執筆された博士論文は、このUMIという機関にマイクロフィルムで収められます。イギリスやオーストラリアで執筆されたものも、著者が登録すれば収蔵されるようです。

 このUMIに収められた博士論文が、上記の書店で購入できます。著者名や論文名による検索だけで、キーワード検索ができないこと、ヒット数が40件に制限されていることなどの難点はありますが、1部34ドルで購入できるというのは魅力です。日本国内の取次店だと、自分で検索できないし、1部1万円くらいしますから。

4.2 書店・東南アジア
 以下、東南アジア関係の書籍を扱う書店を挙げておきます。

Asia Books, Bangkok <http://www.asiabooks.co.th/>
 バンコクに複数の支店をもつ書店です。東南アジアに関する学術書は、東南アジア内やタイ国内だけで販売する目的で版権を取得し、格安でリプリントが出されたりもします。東南アジア、とくに大陸部に関する英文学術書は、まずはバンコクの書店で探すことをお勧めします。

White Lotus, Bangkok <http://www.thailine.com/lotus/index.htm>
 出版社として有名ですが、書店も経営しています。古書の掘り出し物があり、日本よりもかなり安い値段がついています。ただし、あまりホームページが更新されないので、行ったら売り切れという場合もありました。

Select Books, Singapore <http://www.selectbooks.com.sg/>
 東南アジア島嶼部に関する学術書の品揃えが豊富です。たまに理不尽な値段がついていたりするので、他のオンライン書店で価格を調べてから購入しましょう。

L'Harmattan, Paris <http://www.editions-harmattan.fr/>
 アジアやアフリカに関する学術書を刊行しているフランスの出版社で、書店も経営しています。

5. 検索エンジン、リンク集など
5.1 各国版のサーチエンジン
Yahoo!アジア版 <http://asia.yahoo.com/>
 国別に絞り込んで検索することが可能です。

5.2 助成金のデータベース
助成財団センター
<http://www.jfc.or.jp/>
 研究というのは、お金がかかるもの。どんな助成金があるかや、財団のホームぺージに関する情報が得られます。

5.3 非ヨーロッパ系文字のフォント
Fonts in Cyberspace <http://www.sil.org/computing/fonts/>
 さまざまな文字のフォントがダウンロード可能です。ただし、古いフォントは古い動作環境でないと使えない場合もあるので、説明用のファイルをよくお読み下さい。

5.4 オンライン辞書
Lycos Dictionary <http://dic.lycos.co.jp/>
 オンラインの英和・和英辞書のなかで、もっとも語彙数が多いと思います。

Encyclopedia Britannica <http://www.britannica.com/>
 『ブリタニカ百科事典』(英語版)が無料で利用可能です。

yourDictionary.com <http://www.yourdictionary.com/>

Translater's Internet Resources <http://www.kotoba.ne.jp/>

5.5 海外のインターネット・カフェ
Cybercafe Centre <http://sapporo.cool.ne.jp/cybercafe/>
 海外で、日本語が読み書きできるインターネット・カフェの情報が寄せられています。調査中、部屋に電話がついていない安宿に宿泊することが多いため、こうした情報は有益です。

Cybercafe Search Engine <http://cybercaptive.com/>

Netcafes Guide <http://www.netcafeguide.com/>
 上記2者はいずれも英語のサイトなので、日本語が読み書きできるかどうかの情報は得られません。しかし、滞在中の街にインターネット・カフェが何軒あるかをこれらのサイトで調べて、日本語が読み書きできるか一軒ずつ尋ねてまわるという方法もあります。

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updated:2002.07.03