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スペイン・サンチアゴ巡礼の道
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I. はじめに

 最近、NHKのBS でサッカーのスペインリーグ(Liga Espan~ola)の試合を中継していますが、観客席前列の看板広告に目をやると「Xaccobeo '99」という聞き慣れないスポンサー名を見かけることがあります。実はこれは企業名ではなく、スペイン北西部・ガリシア州の都市、サンチアゴ・デ・コンポステーラへと続くカトリックの巡礼の道、「サンチアゴの道」(詳しくは「II. サンチアゴの道について」を参照下さい)のキャンペーン広告なのです。まあ日本のJリーグの試合に四国4県が「四国遍路を歩こう!」との広告を出すようなものです。

 今年は、数年に一度の巡礼のあたり年、「聖ヤコブの年(El An~o Santo)」にあたることもあり、サンチアゴ・デ・コンポステーラのあるガリシア州が中心となって大規模な観光キャンペーンが行われ、その一環としてサッカー場にも広告が出されたものと思われます。その甲斐あってか、今年のサンチアゴの道は、徒歩・自転車で行う者を含め、巡礼者でごったがえし、一種のブームのようになっているようです。

 さて、今から6年前の1993年秋、大学のスペイン語学科の4年生だった私は、フランス国境の村、ロンセスバージェスから出発し、約1ヶ月かけて約800kmの道のりのこのサンチアゴの道を歩きました。この年も聖ヤコブの年にあたる年だったのですが、晩秋ということもあってかさほど巡礼者は多くなく、道すがら出会った徒歩巡礼者は30名余りでした。この小作品はその時の体験を基にまとめたものです。

 GEOとの関係については、大学卒業後、共通の友人を通じ知り合ったGEO代表の小田さんから「サンチアゴの道の話をGEOで話さないか」と声をかけられ、1995年9月9日開催のGEO第2回目のコロキウムで発表しました。

 この時の参加者は20名程でしたが、意外に好評を頂いたと記憶しています。ただ、物珍しさもあったのか質問も思いの外多く頂いたために、最後の方は時間が足りず、言い足りない感もあったので、この小作品により、その時聴きに来てくれた方々には補足ができ嬉しく思います。またサンチアゴの道や巡礼一般に興味がある方には理解の一助になれば幸いです。

1999年10月1日

多田博文
(ただ ひろふみ)

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updated:2001.7.31