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III. 旅日記から
歩いているときは考えが研ぎ澄まされるのだろうか。旅を終えて帰国した後、道すがらつけていた日記を読み返すと普段つけている日記とは内容的に趣が違うことに気付いた。以下、歩き始めるまでの経過を述べた後、旅日記から抜粋、加筆修正し、旅の足跡をたどっていこうと思う。 << 歩き始めるまで >> 大学3年の夏、かねてから「やりたい!」と思っていた東海道五十三次徒歩旅行を実現した。東京・日本橋から京都・三条大橋まで約500km、所要日数は15日間。近代化された道も注意して観察してみると、そこを通った幾百人の旅人達、商人・庶民・伊勢参りの巡礼者...の面影が感じられた。 この旅を終えた後、スペイン語学科の学生として、「次はスペインの道を歩かねば」という根拠のあるようでないようなへんな思いに駆られるようになった。当初はマドリッドからジブラルタルまでのルートを考えていたのだが、サンチアゴの道のことを知ってからは「こっちも悪くないな..」と思うようになり、大学4年にあがる春休みに日本古来の巡礼の道、熊野古道(和歌山県)を歩いてからは「これ(サンチアゴの道)しかない!」との結論に達した。 そして「どしゃ降り」といわれた当時の就職戦線をまんまとくぐり抜け、ちゃっかり夏休みに資金も稼いだ私は10月17日スペインへと旅立ち、バスを乗り継ぎ、19日出発地点と定めたフランス国境の村・ロンセスバージェスへと辿り着いたのである...。 |
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updated:2001.7.31
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